生物に同化し擬態するウイルスのような地球外生命体!SFホラー映画「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2011年)
遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011年)
2011年のアメリカ合衆国のSFホラー映画です。
本作品は、ハワード・ホークス製作の「遊星よりの物体X」(1951年)、ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」(1982年)と2度にわたり映画化されたジョン・W・キャンベル・ジュニアの1938年の短編小説「影が行く」の3度目の映画化で、1982年のカーペンター版映画の前の出来事を描いた作品です。
短編小説「影が行く」は、下記文庫本に収録されています。
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ストーリーとしては、南極大陸の氷の中で太古の地球外生命体が発見され、その生命体が人間の体内に侵入して人間になりすまし、自らの生存のために人間同士を争わせます。主人公の古生物学者ケイトとその他の調査隊の隊員たちは、誰が乗っ取られているのか分からない状況で一人ずつ襲われ生存者が減っていきます。
基本情報
公開年:2011年
製作国:アメリカ
原題:The Thing
配給:ポニーキャニオン、ユニバーサル・ピクチャーズ
上映時間:1時間44分(104分)
映論区分:PG12(12歳未満の年少者の閲覧には、親又は保護者の助言・指導が必要)
時代設定:1982年冬(南極大陸)
みどころ
【みどころ①】生物に同化して擬態する地球外生命体の様々な形態
【みどころ②】隊員を襲い焼却された地球外生命体(物体)の解剖
スタッフ
監督:マティス・ヴァン・ヘイニンゲン・ジュニア
キャスト
メアリー・エリザベス・ウィンステッド
<主な出演作品>
「ダイ・ハード4.0」(2007年)
「メイク・イット・ハプン!」(2008年)
「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」(2010年)
「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2011年)
「リンカーン/秘密の書」(2012年)
「10 クローバーフィールド・レーン」(2016年)
「ジェミニマン」(2019年)
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(2020年)
ジョエル・エドガートン
<主な出演作品>
「アニマル・キングダム」(2010年)
「ウォーリアー」(2011年)
「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2011年)
「華麗なるギャツビー」(2013年))
「ザ・ギフト」(2015年)
「ブラック・スキャンダル」(2015年)
「ラビング 愛という名前のふたり」(2016年)
「ジェーン」(2016年)
「キング」(2019年)
受賞歴
なし
あらすじ ※ネタバレ注意
1982年冬、ノルウェー観測隊が南極大陸で氷の下にある巨大構造物を発見する。
生物学者のサンダー・ハルボルセン博士は、古生物学者のケイト・ロイド(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)とアメリカ人、ノルウェー人の研究者で構成された国際探査チームを招集し南極を訪れる。その目的は発見された10万年前から存在したと思われる巨大宇宙船と地球外生命体の調査だった。
氷漬けの地球外生命体は基地に持ち込まれ生態の調査を行う。基地の隊員たちは歴史的大発見に喜んでいたが、その夜、死んでいると思われた生命体は突如蘇生し氷を破砕(はさい)して屋根を突き破り基地外へ逃走する。
地球外生命体(物体)は、ノルウェー隊が飼っていた犬を殺害後、隊員の1人を襲って倉庫に逃げ込もうとするが隊員の放った燃料に放火したことで倉庫ごと焼却される。
隊員たちは焼却された「物体」の死骸を解剖し、その細胞がまだ生きていることや襲った隊員を体内に取り込んでその姿に擬態して成り代わるという生態を知る。さらに隊員の骨折した骨に埋められていた金属プレートが「物体」の体内から発見される。それにより「物体」が、有機細胞ではない金属製のプレートに同化・複製できないことが判明する。
隊員たちの数名は他の基地へ移動しようとヘリで離陸するが、ケイトはシャワールームで歯の詰物の破片と大量の血痕を発見する。それを見つけたケイトは、ヘリに基地への帰還を呼びかけるが既に搭乗した隊員の1人に擬態していた「物体」により、ヘリは墜落してしまう。
すでに基地内の誰かが「物体」に寄生されているというケイトの話も、当初隊員たちは信じなかったが、隊員の姿をした「物体」が仲間を殺害する光景を目にすると、皆事態を確信する。更に隊員の中に寄生した「物体」を見つけるため、全員の血液テストを開始する。
そんな時、ヘリの墜落事故から生還した操縦士カーター(ジョエル・エドガートン)ら2人が基地に戻るが、事故から助かったことで人間ではないことを疑われ倉庫に隔離される。
その直後、何者かに寄生の有無を判別する血液テストの設備が放火され、検査を妨害される。
サラは洗面所に落ちていた銀歯、骨折用の金属プレートが最初の犠牲者の体外にあったことから、「物体」が無機物は同化できず排出することに気づき、銀歯の有無によって人間かそうでないかの区別をつける。
隔離場所から逃げ出したカーターたち2人と基地の隊員たちとの間で争いが起き、隊員にとり替わっていた「物体」が正体を現す。隊員数名殺害の末、1人の隊員と生きたまま同化し2つの顔になった「物体」は、更にハルボルセンを襲う。
寄生されたハルボルセンは逃げ出し、ケイトとカーターが後を追う。「物体」に寄生されたハルボルセンは、巨大構造物と思われていた宇宙船に戻ろうとしていた。
サラは宇宙船の機内でハルボルセンの顔を持つ「物体」に襲われるが、間一髪ダイナマイトを投げつけて「物体」を破壊する。
ケイトは、はぐれていたカーターと合流し雪上車に乗り込もうとするが、ケイトはカーターの左耳にいつも付けていたピアスがないことに気づき、彼を「物体」と判断し焼き払う。ケイトはひとり生還するも絶望的な面持ちで雪上車の運転席に座りこむ。
しばらく経って基地にヘリがやってくる。唯一生き残った隊員がヘリの操縦士に発見されるが、その直後1匹の犬が基地を逃げ出す。その犬が「物体」だと察した隊員は、ヘリの操縦士に犬を追うよう指示する。
南極の氷原の中、ヘリコプターは執拗に1匹の犬を追い銃で撃ち続けるが...。
感想
2011年の映画ですので映像自体は古く感じませんが、ストーリーがホラー映画ブームだった1980年代のSFホラー映画を感じました。
舞台が南極の基地で周りには何もない隔離された環境と、地球外生命体が人間に化けるので誰が地球外生命体かわからない恐怖があります。
映画の中で登場する地球外生命体のクリーチャーはグロテスクでとにかく気持ち悪いです。最近こういったSFホラー映画が減っているので貴重な作品だと思います。
グロテスクなのが大丈夫で、少しドキドキしたい人におススメです。
この映画がよかった人へのおススメ映画
宇宙戦争(2005年)(トム・クルーズ主演)
エイリアン(1979年)(リドリー・スコット監督)
評価
3.6点/5点満点
こちらはジョン・カーペンター監督による1982年の作品です。
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