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実話、一度に13億円相当のドラッグを運んだ90歳の老人の物語、イーストウッド主演!映画「運び屋」(2018年)

運び屋(2018年)

運び屋(字幕版)

2018年のアメリカ合衆国の犯罪ドラマ映画です。

 

この映画では、クリント・イーストウッド演じる運び屋アールの娘役に実娘アリソン・イーストウッドが出演しています。イーストウッド親子の共演は、1980年、娘が7歳の時、父が主演した映画「ブロンコ・ビリー」以来34年ぶりです。

 

本作品は実話をもとにした映画で、原案は「ニューヨーク・タイムズ」の記事「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule(メキシコ犯罪組織シナロア・カルテルの90歳のドラッグ運び屋)」で、その権利を買い取り映画化しています。 

 

主人公のモデルとなった園芸家だった元退役軍人のレオ・シャープは、2009年に85歳でシナロア・カルテル(メキシコ最大の犯罪組織)の麻薬の運び屋となり、運び屋時の愛称は映画にも出てきますが 、スペイン語で「おじいさん」を意味する「エル・タタ」でした。

レオ・シャープは麻薬の運び屋を2011年まで続け、合計1,400ポンド(末端価格30億円)以上の麻薬を運んだことを認めています。(レオ・シャープは、2016年12月12日、92歳で亡くなっています)

 

 

基本情報

公開年:2018年
製作国:アメリカ
原題:The Mule
配給:ワーナーブラザーズ映画
上映時間:1時間56分(116分)
映論区分:G(年齢にかかわらずだれでも閲覧できる)
時代設定:2005~2017年頃

 

みどころ

【みどころ①】カフェで麻薬取締局(DEA)捜査官のベイツとアールが交わす家族についての会話
【みどころ②】運び屋の仕事をこなす毎に羽振りが良くなっていくアールの行動

 

スタッフ

監督:クリント・イーストウッド

<主な作品(監督)>
バード(1988年)
許されざる者(1992年)
パーフェクト・ワールド(1993年)
マディソン郡の橋(1995年)
スペース カウボーイ(2000年)
ミスティック・リバー(2003年)
ミリオンダラー・ベイビー(2004年)
父親たちの星条旗(2006年)
硫黄島からの手紙(2006年)
グラン・トリノ(2008年)
ジャージー・ボーイズ(2014年)
アメリカン・スナイパー(2014年)
ハドソン川の奇跡(2016年)
運び屋(2018年)

 

キャスト

クリント・イーストウッド

大きな写真、クリント・イーストウッド、CLINT EASTWOOD

<主な出演作品>
「荒野の用心棒」(1964年)
「夕陽のガンマン」(1965年)
「アルカトラズからの脱出」(1979年)
「ダーティハリー」シリーズ
 ・「ダーティハリー」(1971年)
 ・「ダーティハリー2」(1973年)
 ・「ダーティハリー3」(1976年)
 ・「ダーティハリー4」(1983年)
 ・「ダーティハリー5」(1988年)
「ザ・シークレット・サービス」(1993年)
「パーフェクト・ワールド」(1993年)
「マディソン郡の橋」(1995年)

「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)
「グラン・トリノ」(2008年)

「運び屋」(2018年)

 

ブラッドリー・クーパー

直筆サイン入り写真 イエスマン エレファントマン 二ツ星の料理人 等 ブラッドリークーパー/映画 ブロマイド オートグラフ/フレームなし 【証明書(COA)・保証書付き】

<主な出演作品>

「ハングオーバー!」シリーズ
 ・「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(2009年)
 ・「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」(2011年)
 ・「ハングオーバー!!! 最後の反省会」(2013年)
「リミットレス」(2011年)
「世界にひとつのプレイブック」(2012年)
「アメリカン・ハッスル」(2013年)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ
 ・「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)
 ・「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017年)
「アメリカン・スナイパー」(2014年)
「アベンジャーズ」シリーズ
 ・「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)
 ・「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)
「アリー/ スター誕生」(2018年)
「運び屋」(2018年)

 

ローレンス・フィッシュバーン

ブロマイド写真★海外ドラマ『CSI:科学捜査班』ラングストン(ローレンス・フィッシュバーン)/スーツ

<主な出演作品>
「マトリックス」シリーズ
 ・「マトリックス」(1999年)
 ・「マトリックス リローデッド」(2003年)
 ・「マトリックス レボリューションズ」(2003年)
「ミッション:インポッシブル3」(2006年)
「プレデターズ」(2010年)
「コンテイジョン」(2011年)

「マン・オブ・スティール」(2013年)
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(2016年)
「運び屋」(2018年)

 

マイケル・ペーニャ

<主な出演作品>
「ワールド・トレード・センター」(2006年)
「ザ・シューター/極大射程」(2007年)
「世界侵略: ロサンゼルス決戦」(2011年)
「エンド・オブ・ウォッチ」(2012年)
「アントマン」シリーズ
 ・「アントマン」(2015年)
 ・「アントマン&ワスプ」(2018年)
「オデッセイ」(2015年)

「運び屋」(2018年)

 

アンディ・ガルシア

ブロマイド写真★アンディ・ガルシア/見つめるアップ

<主な出演作品>
「アンタッチャブル」(1987年)
「ブラック・レイン」(1989年)
「ゴッドファーザー PART III」(1990年)
「オーシャンズ」シリーズ
 ・「オーシャンズ11」(2001年)
 ・「オーシャンズ12」(2004年)
 ・「オーシャンズ13」(2007年)
「運び屋」(2018年)

 

アリソン・イーストウッド

<主な出演作品>
「ブロンコ・ビリー」(1980年)
「タイトロープ」(1984年)
「運び屋」(2018年)

 

受賞歴

なし

 

「第43回 日本アカデミー賞(2020年)(最優秀外国作品賞)」にノミネートされましたが、映画「ジョーカー」が受賞しています。

 

あらすじ ※ネタバレ注意

長年、イリノイ州のピオリアで園芸家としてデイリリーを育ててきたアール・ストーン(クリント・イーストウッド)はいつものようにデイリリーのコンテスト「2005年デイリリー品評会」で金賞をもらい祝杯をあげていた。

 

同じ頃、娘アイリスは結婚式を挙げ、孫娘ジニーは結婚式にアールが来ることを楽しみにしていたが、アールの前妻メアリーは、アールがいつも家族のイベントに顔を出さないので、今回も家族を失望させるに違いないと思っていた。

 

12年後の2017年、アールは経営難から自慢の農場、サニーサイド花農場を差し押さえられる

 

その後、12年前の娘アイリスの結婚式に出席しなかったアールが孫娘ジニーの結婚前のブランチパーティーに姿を現すが、アイリスには無視され前妻メアリーには彼が結婚のお祝いに来たのではなく住む場所に困っているからだろうと呆れられる。

 

アールがその場を去ろうとすると、パーティーに来ていたジニーの付添い人の友人が生活に困っているアールを見て、世間話をしながらドライバーを探している知り合いがいると仕事の話を持ちかける


後日、仕事を引き受けたアールのトラックに数人のメキシコ人たちがバッグを積み、彼に連絡用の携帯を渡し、バッグの中身を絶対に見ない事を約束させる。アールはトラックを言われた場所まで運転し、駐車してまた戻って来るという簡単な仕事を終わらせ、報酬として大金を手にする

 

同じ頃、麻薬取締局(DEA)では、新しい捜査官コリン・ベイツを採用し麻薬組織メンバーの逮捕を計画していた。ベイツ捜査官と相棒のトレビノ捜査官は早速カルテルのルイス・ロカと言う男に目をつけ、刑を軽くする代わりに捜査に協力するよう持ち掛ける。

 

アールは、孫娘ジニーの結婚式に出席しトラックの運転で得たお金で結婚式の花とバーの飲み放題の費用を負担する。バーでアールは前妻メアリーの隣に腰を掛けると、メアリーに家族も花と同じように時間と努力が必要だということを教えられる。

 

アールはトラックの運転で得たお金で新しい黒いトラックを買い、再びトラックの運転を受けて得た報酬で差し押さえられた農場と自宅を取り戻す

 

3回目の仕事で今まで以上の大きさの荷物を引き受け再びトラックを運転するアールは、配達を依頼されたバッグの中身が気になり、旅の途中で中身を見て麻薬であることを知る。バッグを閉じた直後、偶然通りかかった警察犬部隊の警官に話しかけられるが何とか疑われずその場を切り抜ける。

無事に運転の仕事を終わらせ、今まで以上に大金を得たアールは、退役軍人会の知人の火事で焼けたお店の再建費用を寄付する。

 

アールはそのあとも運び屋の仕事を継続し、雇い主であるメキシコの麻薬組織カルテルのボス、ラトン(アンディ・ガルシア)にその実績を買われ、「エル・タタ(おじいちゃん)」という愛称で8回目に監視役フリオとサルを付けデカいブツ(110kg、270万ドル相当)を本格的に運ばせる

 

麻薬取締局は、大きな仕事をしている運び屋エル・タタの存在を知り、その正体を暴くため捜査を続ける。

麻薬取締局がエル・タタについて持っている情報は、「彼が他の運び屋より多くの麻薬を運んでいる事、その運搬ルート、黒いトラックを持っている事」だけだった。

 

アールは、とうとう9回目で1度に282kgという量の麻薬を運び、組織の運び屋としての新記録を達成する。麻薬組織カルテルのボス、ラトンはアールの仕事ぶりに感謝しメキシコの自宅に招き盛大なパーティーを開く

 

順調にトラックの運転で大金を得たアールは孫娘ジニーの美容学校の学費を負担し卒業式にも出席する。それでも娘アイリスはアールと距離を置くが、前妻メアリーは彼の変化に少しずつ気づき次第に許していく。

 

ある日、麻薬組織カルテルのボス、ラトンは趣味の射撃を楽しんでいる最中に反抗心を持つ部下に射殺され、部下だったグスタボが新しいボスとして仕切ることになる。

 

アールは、グスタボの部下たちに自由奔放な仕事ぶりを改めさせるため、森に連れて行かれ、新しいルールとして、時間をきっちり守り、予定外の停車も無しなどのルールにもきっちり従い、守らなかったり、遅れたりしたら殺すと言われる。


ある日、アールがいつものように運び屋の仕事で移動していると、休憩で立ち寄ったカフェでエル・タタを捜査中のベイツ捜査官と出会う。お互いの正体を知らない2人だったが、アールは仕事で忙しくして妻との記念日を忘れたというベイツ捜査官に、自分みたいに仕事を優先にして家族をないがしろにするなとアドバイスをする。

 

カフェを後にしたアールの携帯電話に孫娘ジニーから連絡が入る。連絡の内容はメアリーの体調が悪く家で最後を迎えるため病院から移されるので家に帰ってきて欲しいという連絡だった。

新しいボスになって最初の仕事をし始めたアールは、仕事で帰れないことを伝えるが、メアリーの最後に付き添う為、荷物を運ぶルートから姿を消す

アールの失踪によりカルテルと麻薬取締局は必死で彼の行方を探す。


メアリーのもとに着いたアールは、彼女が息を引き取る最後まで側で付き添い、彼女の死後は葬式にも出席する。そんなアールの姿を見た娘アイリスは父親を許し、家族一同で集まる感謝祭に彼を招待する。

 

再び家族との関係を取り戻したアールは荷物を運ぶルートに戻り仕事を再開するが、グスタボの部下たち見つかり、ルートを外れた理由が女房が癌で亡くなり葬式へ出ていたということから殺されずに済むが、暴行され血だらけの状態で再び仕事を続けさせられる

 

既にアールの黒いトラックの情報を調べ上げていたベイツ捜査官はアールのトラックを見つけ、トラックの前をパトカー数台で遮(さえぎ)りトラックを止める。ベイツ捜査官は逮捕しようと手を上げた後ろ向きの老人に近づき、振り向いた時に、その老人が休憩で立ち寄ったカフェで出会った老人だと気づき複雑な気持ちでアールを逮捕する。


その後、裁判でアールの弁護士は金に困った彼が家族を養うために運び屋に手を染めたと弁解するが、アールがそれを遮(さえぎ)って全ての容疑を認め実刑を受ける。そんな彼に対しアイリスとジニーは頬にキスをして家族の愛を確かめ合う

 

刑務所に送られたアールは刑務所の庭でデイリリーを育て服役するのだった。

 

感想

この映画が伝えたかったことは、一言でいうと「家族を大切にしろ」ということではないかと思います。映画のストーリーとしては、老人が麻薬の運び屋をしながら家族との絆を取り戻していくといった地味な内容ですが、クリント・イーストウッドの演技により物語に深みを感じます。

 

今回の作品も監督兼主役がクリント・イーストウッドで、脚本がニック・シェンク「グラン・トリノ」と同じですので、主人公の雰囲気が非常によく似ています。主役を変えて違う雰囲気を出しても面白かったのではないかと思いますが、80歳以上で現役でこれだけの演技ができる俳優は他にいないかもしれません。

 

本作は、家族の重要性を訴えかける作品ですが、それだけではなく、所々に散りばめられた「イーストウッドらしさ」を堪能できる極上の作品に仕上がっています。 

 

クリント・イーストウッドは、この映画の撮影時点で88,9歳(1930年5月31日生まれ)で、今回の作品では流石に歩き方やうしろ姿を見ていると年老いた印象を受け、演技に無理はないか心配になりました。

 

個人的には、俳優としての経験が豊富で色んなアイデアを持たれていると思いますので、無理せず「監督・脚本・製作」側で長く楽しませて欲しいと思いました。

 

現時点(2020年8月)で既に90歳ですが、この年で現役で監督と俳優をしているのは凄いことだと思います。長年のその功績から映画史上、歴史に残る人物の一人ではないかと思います。 

直輸入、小ポスター、米国版「運び屋」クリント・イーストウッド、#6205

 

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グラン・トリノ(2008年)(クリント・イーストウッド監督)

 

評価

3.8点/5点満点

 

運び屋(字幕版)

運び屋(字幕版)

  • 発売日: 2019/05/08
  • メディア: Prime Video