★星空の映画館★

~ 映画を中心に、観光・レジャー、自分が良いと思ったもの等を書いています ~

メーデー、両エンジンの全推力喪失!155人全員の命を救った奇跡の物語、イーストウッド監督「ハドソン川の奇跡」(2016年)

ハドソン川の奇跡(2016年)

ハドソン川の奇跡(字幕版)

クリント・イーストウッド監督による2016年公開のアメリカのドラマ映画です。 

 

実際に2009年1月15日午後3時30分頃に起きたUSエアウェイズ1549便(ニューヨーク発シアトル行)が、ニューヨークのハドソン川に不時着水した航空事故を映画化した作品です。

 

機長、副機長は、バードストライクにより突然の両エンジン停止という危機に見舞われながらも、ハドソン川に不時着し、乗員・乗客全員の命を救出。この事故は、離陸してから着水までわずか5分間の出来事だったそうです。

 

 

基本情報

・公開年:2016年
・製作国:アメリカ
・原題:Sully ※機長の名前です
・配給:ワーナーブラザーズ映画
・上映時間:1時間36分(96分)
・映論区分:G(年齢にかかわらずだれでも閲覧できる)
・時代設定:2009年1月

 

みどころ

【みどころ①】公聴会でシュミレーションによる空港への着陸不可証明
【みどころ②】離陸から不時着までの5分間

【映画パンフレット】  ハドソン川の奇跡 Sully

 

スタッフ

監督:クリント・イーストウッド

<主な作品>
バード(1988年)
許されざる者(1992年)
パーフェクト・ワールド(1993年)
マディソン郡の橋(1995年)
スペース カウボーイ(2000年)
ミスティック・リバー(2003年)
ミリオンダラー・ベイビー(2004年)
父親たちの星条旗(2006年)
硫黄島からの手紙(2006年)
グラン・トリノ(2008年)
ジャージー・ボーイズ(2014年)
アメリカン・スナイパー(2014年) 

運び屋(2018年)

 

キャスト

トム・ハンクス

<主な出演作品>
「スプラッシュ」(1984)
「ビッグ」(1988)
「メイフィールドの怪人たち」(1989)
「フィラデルフィア」(1993)
「めぐり逢えたら」(1993)
「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)
「アポロ13」(1995)
「ユー・ガット・メール」(1998)
「プライベート・ライアン」(1998)

「グリーンマイル」(1999)
「キャスト・アウェイ」(2000)
「ロード・トゥ・パーディション」(2002)

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002)
「ターミナル」(2004)
「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)
「天使と悪魔」(2009)
「キャプテン・フィリップス」(2013)
「ウォルト・ディズニーの約束」(2013)
「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)
「インフェルノ」(2016)
「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(2017)

 

アーロン・エッカート

<主な出演作品>
「エリン・ブロコビッチ」(2000)
「ザ・コア」(2003)
「サンキュー・スモーキング」(2006)
「ダークナイト」(2008)
「世界侵略: ロサンゼルス決戦」(2011)
「ダークナイト ライジング」(2012)
「アイ・フランケンシュタイン」(2014)

 

受賞歴

第40回日本アカデミー賞(2017年)

・最優秀外国作品賞

 

製作

クリント・イーストウッドは本作の撮影のために、本物のエアバスを購入し、救助ボートも実際の救助に使用されたものを使って撮影を行っています。

 

また、ハドソン川に着水した航空機を見つけて救助に向かったフェリーのヴィンセント・ロンバーティ船長や、ニューヨーク市警のスキューバ空海救助チームに所属するマイケル・デラニー巡査とロバート・ロドリゲス刑事が本人役で出演しています。

 

そのほか、赤十字のニューヨーク都市圏支部に務めるクリス・メルカード氏をはじめとする救助隊やボランティアの人々、ニュースキャスター(ケイティ・クーリック)など、事故当日に救出に携わった関係者たちも出演しています。

 

あらすじ ※ネタバレ注意

2009年1月15日、ラガーディア空港発シャーロット空港行きのUSエアウェイズ1549便(エアバス A320、コールサイン:カクタス1549)はラガーディア空港を離陸、巡航高度に向かう途中に鳥の群れに遭遇し、鳥がエンジンに吸い込まれ機能不全を起こすバードストライクが両エンジンに発生してしまう。


1549便の機長"サリー"ことチェスリー・サレンバーガーと副操縦士のジェフ・スカイルズは、推力を失った機体を出発地ラガーディアに引き返えそうと試みるが、高度が低すぎたため着陸不可能であり他の空港にも着陸は不可能と考えたサリーは、やむを得ず眼下のハドソン川に機体を着水させることを決断する。


機体はサリーの巧みな操縦によりバラバラになることもなく、またクルーの迅速な避難誘導や救助が早かったことなどもあり、大型旅客機の不時着水という大事故ながら1人の死傷者も出さなかった。

 

このニュースは全米はおろか世界中で「ハドソン川の奇跡」と銘打たれ、サリーは一躍ヒーローとなる。しかし後日、事故調査委員会の調査により、シミュレートを行った結果、1549便はラガーディアにも他の空港にも着陸が可能だったという報告を突き付けられた。サリーとスカイルズは「あり得ない」と否定するが一転、二人は疑惑の人物となってしまう。議論の場は公聴会で行われることとなり、サリーは事前にど同僚にシュミレートを中継で公聴会ながすことを頼む。

 

公聴会では、エアバス社が行ったラガーディアとテターロボの二つの空港への着陸シュミレートが中継でながされたが二回とも着陸に成功する。


それを見たサリーは、人的要因が考慮されていないこと、つまり彼らの動きは初めて事故に遭遇したものではないことを伝え、さらにシュミレーションの操縦士が何回練習したか尋ねると、事故調査委員会の担当者は17回と答える。


サリーは、決断を下す数秒の時間が考慮されていないことを訴え、考慮の時間を35秒に設定して再度シュミレートを行う。結果、両方の空港で着陸に失敗する。

さらに事後の調査で川から引き揚げられたエンジンすべてが飛べる状態ではなかったことが公聴会で伝えられ、機長サリーの判断がいかに正しかったか照明される。

 

感想

この映画を見る前は、1時間半程度の枠で飛行機が無事着水して乗員が全員助かるという話を映画としてどう面白く描くのか疑問に思いましたが、良い意味で期待を裏切られました。

 

トム・ハンクスの演技とクリント・イーストウッドの演出がこの映画に厚みをもたらしたように思います。時間を忘れて見入っていました。

 

実際に起きた事故、皆さんが協力して1人の死者も出さなかったことを想像しながら映画を見ていると胸が熱くなりました。それにトムハンクスの演技が良かったです。本当に機長かと思うほど違和感のない演技でした。

 

クリント・イーストウッドは元俳優でしたが、コンスタントに良い映画を作られてると思います。2020年5月31日で90歳になったということですが、経験と知識を生かし今後も映画ファンを楽しませてほしいと思いました。

 

余談ですが、エンディングの音楽がアメリカの古き良き時代を感じることができて個人的には好みでした。

 

<実際の機長について>

機長のサリー本人は、この事故から48時間で6キロも痩せたそうです。また、10週間(約2か月半)、脈拍は安静時50台が100に、血圧は下が68から100、上は108から160に上昇していたそうです。全員が助かったとはいえ精神的な影響は想像を絶するものだと思います。 

ポスター/スチール 写真 A4 パターン2 ハドソン川の奇跡 光沢プリント

 

この映画がよかった人へのおススメ映画

プライベート・ライアン(1998年)

 

アメリカン・スナイパー(2014年)(クリント・イーストウッド監督)

 

グラン・トリノ(2008年)(クリント・イーストウッド監督)

 

評価

4.1点/5点満点

 

ハドソン川の奇跡(字幕版)

ハドソン川の奇跡(字幕版)

  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: Prime Video